この町で病院を始める前。約10年間、勤務医をしていました。

お仕事をしていたのは、一般診療と紹介症例(神経病)の2次診療に対応する病院でした。

その中で、多く担当させていただいた病気が「てんかん」です。

「てんかん」とは脳の病気で、主な症状は意識を失うけいれん発作です。

発作を繰り返す場合、命にもかかわる病気です。

お薬などで発作をコントロールして、うまく付き合っていく必要がある病気だといわれています。

これまで動物のてんかんには明確な診断基準や治療方針などが定められておらず

それぞれの獣医師の判断や経験などによって診断・治療が行われている部分が大きかったのが実情です。

しかし、このたび国際獣医てんかん特別委員会が作られ

新たに、動物のてんかんの診断と治療の国際基準が発表されました。

今回、基準が明確に定められたことにより、その基準に準じた診断と治療が求められるようになりました。

またその結果、一般的な動物病院でも世界標準の治療が可能となりました。

てんかんという持病があっても、お薬を使って発作のコントロールに成功すれば

本来の寿命を全うできるということがわかっています。

今回発表された国際基準によって、そのコントロールの成功目標値も明確になりました。

 

てんかん発作を初めて目の当りにされると、ご家族の方はすごく驚かれ悲しまれます。

でも、治療可能です。

あきらめない病気です。