かつて「発情に対する合成黄体ホルモンの影響」をテーマに

動物の卵巣子宮の組織構造や女性ホルモンの測定検査をたくさんさせていただきました。

それ以来、動物の婦人科疾患を多く治療させていただいています。

動物の婦人科疾患の中で、最も多く出会う病気がわんちゃんの乳腺腫瘍です。

これまで、わんちゃんの乳腺に腫瘍が発見され手術を計画するとき

同時に避妊手術をすべきか?

証明されたデータやガイドラインがありませんでした。

今回以下のような新しい知見が公開されました。

 

○乳腺腫瘍摘出時の不妊手術の影響

・乳腺腫瘍摘出時に同時に不妊手術を実施した場合

*術後新規乳腺腫瘍発生率

不妊手術未実施:64%  不妊手術実施:36%

・不妊手術未実施:21%が子宮卵巣疾患発症

・不妊手術の同時実施は生存期間には影響を与えない

 

まとめますと

乳腺腫瘍摘出と同時に不妊手術も一緒に実施すれば

  1. 術後、別の乳線に新しい腫瘍が発生しにくくなります( 新規乳腺腫瘍発生率が約30%減少)。
  2. 術後、21%の確率でなる、子宮卵巣の病気を予防できます。
  3. 新規乳腺腫瘍と子宮卵巣疾患による再手術は回避できる可能性が高まります。
  4. ただし生存期間に明らかな影響はありません。

乳腺腫瘍摘出手術時に、同時に不妊手術を行うかべきか、どうか?

判断するための情報が増えました。

その子の年齢や健康状態、ご家族の方のお考えなどを問診させていただき

ご希望に沿うように治療方針を決めていただいてます。

当院では女の子のわんちゃん・ねこちゃんには年2回の健康診断と一緒に乳がん検診をおすすめしています。